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NEWアルバム オールライト伝説について

更新日:2024年12月9日

お疲れ様です。不屈の卑屈のVo折笠です。

久々のブログ更新です。本格的に寒くなってきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

我々不屈の卑屈はリリース企画も無事終わり、劇的なプロローグと共に我々の世界観を浸透させようと日々邁進しております。

 

さて、2nd album「オールライト伝説」がデジタルリリースされて約3ヶ月が経とうとしておりますが、皆様もう聞いて頂けましたでしょうか?


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1stアルバム「テクノアーケード通り」発表から約10年の歳月を経ての発表となりましたこの作品、思い起こせば本当に感慨深いです。

 

そこで、この記事では今回のアルバムの収録曲の楽曲解説をさせて頂こうと思っております。


解説といっても、大前提としてあくまで作詞を担っている僕折笠の個人的な見解、楽曲の物語を紐解くきっかけとして機能すればいいかな、くらいの気持ちで書いております。


別に正解がコレ!というわけではないので読み物として楽しんで頂ければと。。


制作の過程も交えてお話ししてゆきます。


では一曲ずつ解説してゆきます。



1.家族ゲノム

 

この曲は制作年が2014年頃なのでほぼ10年前に作った曲です。

1stが発表された直後に作った曲なのでライブでは何度も披露していますが、アレンジが都度微妙に変えられアルバム音源として発表されたのはこれが初めてです。

作った当時は一晩でデモを僕が歌詞も含めて書き上げた記憶があります。

歌詞の世界観としては、「家族」という世間一般のイメージに感じる違和感、この複雑な呪縛のようなものをいかにして表現すればいいのか考えながら書きました。おそらくこの「家族」という概念は、個人がこの世に生まれ落ちてすぐ用意されているものではなく、生活を営む上で「形成」されていくものなのではないか。そんな発想から作っています。

もちろん元ネタは映画「家族ゲーム」ですが、歌詞の「横一列 螺旋 並列 形成される家族ゲノム」の一説は、個人的にこの曲で一番気持ちいいフレーズなので、是非皆様ライブや高架橋の上で肉親と一緒に歌い、我々とも家族になってください。

 

2.悦子の母乳

 

この曲は2016年に一度シングルとして発表しておりますが、今回アルバムバージョンとして再録いたしました。実はこの曲が不屈の卑屈最古の曲であり、制作年は2007年ごろ、我々が高等学校に通っていた際に、美術室でアコギで師匠(菅原)と一緒に作ったフレーズを2016年に再構築し曲にしたものです。「悦子の母乳」というフレーズは皆様ご存知通り有名な空耳が元ネタですが、この楽曲の詩世界のテーマは「巨大化した自我との向き合い方を探る物語」なのです。情景描写としてはある種の幻想文学的な味わいを出したいという意向と、自分でもコントロールできなくなった自我に翻弄される主人公の葛藤を描いております。

「恩恵」としての「母乳」。その力を得ると共に、自己の望む姿と乖離していく苦しみ。

その中で主人公が見つける「意味のない価値」とは?

この物語に関しては後日ノベライズするつもりでいるのでさらに詳しく描きます。

お楽しみに。

曲に関しては当時師匠の作ってくれたデモを聞いて物凄く感動したのですが、歌詞に関してはREC前日まで出来上がらず、凄まじく苦しんだ思い出があります。

そこらへんの思い入れも含めて不屈の卑屈のリードトラックとして歌い続けております。

ぜひ皆様も深夜のバルコニーで歌ってください。

 

3.差鉄

 

この曲は2018年くらいに作成したものです。歌詞の元になる同タイトルの散文詞をもともと僕が作っていて、そこからフレーズを拾い、曲の構成に当てはめて作ってゆきました。

「差鉄」というのは僕の造語なのですが、この曲のテーマは「他者と自分との間に生まれる軋轢の許容と拒絶」だと思っています。

「傷つく」という現象は劣化ととるか、研磨ととるかによって見え方が違うものになるという発想から、受け入れられたくてあえて傷つきに行く人の姿と、傷つけることしか出来ない人の姿が入り混じる展開を意識しました。

結局どちらも自己が求める何かに近づくための行為にほかならず、対岸に手が届けど一生満足しないのは何故なのか?というところがキーワードかなと。曲の展開と歌詞の構成がいい感じの帰結にハマった実感があるのでお気に入りの曲です。

ちなみに曲構成はNine Inch Nailsのcloserのオマージュになっております。和風のcloserを作りたいなというのがこの曲の当初の目的だったのでそのあたりもフレーズを聴き比べてみて頂ければと。

 

4.ご先祖様が見てる

 

この曲も2018年頃にすでにdemoが出来上がっておりました。サビの「仏壇の〜」フレーズがある日何故か頭の中で止まらなくなってしまい、そこから前後の歌詞と曲の構成を作っていった覚えがあります。この曲の歌詞世界のテーマは「自己の求めるものはこの世のどこにあるのか?」という問いだと思っております。連綿と続く人の営みと歩みの本質とは何なのか。結構スケールを大きくして結びまで持って行けたので気に入ってます。

 

ちなみにこの曲の冒頭、歌が入る前のキックに合わせて、僕はライブで毎回拳を頭の上に押し出す動きをするのですが、これは昔よく見たある人達の、とある動きのオマージュになっております。

それは僕が幼少期に体が弱くてよく学校を休み、家の仏間で布団をU字に縦に立てて、上から毛布をかけそれをテントに見立てて中で座って過ごすという遊びをよくしていた時の思い出です。その仏間キャンプの側では、母と祖母が仏壇に向かって毎日午後になるとお経を2時間ぐらい唱えるというのを習慣化しており、僕はそれを布団テントの中からいつも眺めていました。2時間の読経のセトリが終わると、最後に母と祖母は仏壇に向かって拳を頭の上にかかげ、「えい!」「せやっ!」みたいな掛け声と共に真剣な顔で拳を頭上に突き出すのです。それが10回×8セットくらい続き、交互に発していた掛け声がだんだんリフレインしてユニゾンしてきた頃に終了を迎えます。それは当時二人の信仰のオリジナルルーティンだったらしいのですが、最近母にあの行動の目的と意味を聴いたところ、「今考えると全くよくわからない。」との返答を頂きました。

思い返すと、あの独特のムーブが子供の頃の僕にはなんだか恐ろしく、その反面笑いながら二人のその様子を仏間の布団テントから見ていた覚えがあります。そして妙にその姿が印象に残っています。現在はこの曲の世界観とリンクするような気がするので、積極的に動きだけライブに取り入れています。

 

5.クイックル・パイパン

 

この曲はサビのフレーズが2コーラスどちらも頭から離れなくなってそこから作った曲です。

トラックは1から僕が作りましたがアルバム収録バージョンのトラックに落ち着くまで4種類くらい作りました。歌詞の内容ですが、これは皆様お察しの通りイメージの収穫、すなわち想像力を駆使しネクストレヴェルへの丘へのアタックを推奨する歌です。一曲を通して覚えやすいフレーズが多く、「韻を踏む」という幸福を皆様と共有できる仕様となっておりますので、ぜひ皆様には睡眠の前などに

安楽座(スカーサナ)の姿勢で歌うことをお勧めします。

 

6.ブルーヘンゼル


この曲は浮遊感と夕方から夜にかけての空のイメージを描きたくて作ったので、最終的にかなり好きな風合いになりました。歌詞も自分のイメージの連なりを足し算してゆく形で素直に書けたので気に入っています。「追いかける」という行為の中では、何かの「ヒントを探す」ということが大切になってきます。それは不思議なことに、意識した瞬間から様々な形になって私たちの前に現れるようになります。それまでそこにあることに気づかなかった物が、特別な意味を持つようになるのは、その時だけある種の「童心」を垣間見てるのかな、と思ったり。

 

7.Violence Shogun

 

この曲はアイデアを思いついてからかなりの速さで曲の構成が組み上がっていった曲です。歌詞は当時吉祥寺のドトールで一人笑いを押し殺しながら書いていたのを鮮明に覚えています。内容は外部からの理不尽な圧力に向き合わねばならなくなった時に、如何にして「内なる暴力性に気付くか」をテーマにしています。これは作者の個人的な見解ですが、この曲で歌われているのは暴力の行使の推奨ではなく、暴力が自分の中にあることに「気付く」ことの大切さです。そしてそれをどう抑制し、どのような形で解き放つか?が問題なのであって、内なる暴力性について思考せずにただ否定し、人の心を美化することは人間の本質から目を背けているだけです。そのうち学研がこの曲の歌詞を、小学校の道徳の教科書へ記載する方向で編集者会議に提出すると思いますので、それまでは皆様どうか配信停止にならぬよう暖かい耳で聴いてください。

 

8.シュルレアリスム・ドリーマー

 

この曲は2018年に開催された逸脱異電子集会vol.3-悦子宇宙へ-でのバンドセットアレンジ音源に元々収録されていたものを、アルバム用にリアレンジ、ボーカルを再録したものです。

作曲はFLYING DEAD NYAN-NYAN, The Never Dawnsで活躍中のMAAさんです。もともと疾走感のあるバンドアレンジだったものを、不屈の卑屈のエレクトロテイストで師匠がアルバム用に編曲してくれました。この曲の歌詞は物凄く思い入れがあります。昔から自分の中で常に強迫観念的に浮かぶ恐ろしいイメージをいかんともしがたく、かなり悩んだ時期もありました。それでも現実を見つめながら明日を夢見る姿勢、現実を「超現実」へと昇華させる行動力こそが必要なのだと今は信じています。これはパワフルな曲です。是非みなさんにもサビを全コーラス歌えるようになって頂き、ライブで合唱してください。サビでマイクを積極的に客席へ向けます。

(キーが非現実的に高いので…。)


このような感じですが、あくまで歌詞の作者目線での解説なので、聞いて頂く皆さんの生活や体験にあてはめて楽しんで頂けたら幸いです。


ありがたいことに、不屈の卑屈はまた各方面からライブのお誘いを頂いておりますので、情報が解禁されしだい随時更新してゆきます。

 

「オールライト伝説」とは、我々を含めた皆さま全員が、常に物事の「最適解」を導き出す姿勢を追求した先に成し得る、ひとつの「状態」を表します。

その実態を皆様と一緒に追い求めてゆきたいと思いますので、これからも不屈の卑屈をどうかよろしくお願い致します。

 

ここがオールライト伝説の幕開けです。

皆様と一緒にこの道を歩んでゆけることを本当に感謝しております。

ご興味のある方は是非!


アルバムの配信は各種音楽配信サービスにて

こちらから↑

 

折笠

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