嵐の夜に
こんにちは。不屈の卑屈のVo、折笠です。
ブログ更新します。長文です。すみません。
梅雨も明けてまさに今夏の中心ですね。
スイカなら赤い果肉部分、修学旅行なら二日目ないし、一日目の夕方くらいでしょうか。ここから精神的にも肉体的にも刺激が増えてゆく感じだと思うので、皆様是非そのまま突っ走り、やり遂げてください(取り組んでる何かを)。
で、不屈の卑屈はですね、夏から晩夏にかけてバンドメンバーが関わるイベントが結構目白押しなので、ここから短いスパンでこのブログも含めて発信の頻度を上げて行きたいと思います。
まず、8/14(月)新宿ナインスパイスにて不屈の卑屈ライブ出演です。
詳細はこちらからチェックしてください。共演者がかなりヤバイです。追ってその内容にも触れたいと思います。
次に、不屈の卑屈のVoである僕折笠敬昭が8/21〜9/2京橋にある画廊アートスペース羅針盤にて、友人の画家と絵画の二人展を開催致します。
詳細はこちらからよろしくです。2週間開催かつ、コンセプトも作品の内容もかなり力を入れておりますので、是非お越しください。
そして、これが初の告知となりますが、2017年9月30日、晩夏の夜に
不屈の卑屈初となるオールナイトイベントを吉祥寺WARPにて開催致します!
詳細は極めて近日中に追ってお伝えしますが、夜22:00〜翌朝5:00までの時間、騒ぎ歌い踊るシュールな夏の夢のようなイベントです。
是非、皆様日中寝てからお越しください。楽しみにしててね!
これから頻繁にツイッターやら各メディアから上記のイベント内容について発信しますので、チェックよろしくお願い致します〜
はい。告知は一旦こんなところですかね。
話を戻すと梅雨明け夏真っ盛りですが、昨日今日とゲリラ豪雨が凄まじいみたいですね。奴らは唐突にくるので屋内にいると気づかないことも多々ですが、野外で鉢合わせた時はたまったもんじゃないですよね。それ以外にも台風なのか別なのか、急に突風混じりの大雨とか、この季節は結構ありますね。世に言う嵐というやつです。
夏の風物詩と言えば聞こえはいいですが、実害まで出てくると笑えない事態ですから、
なんとか自分の身や家屋を守る手立てを備えておく必要があります。
そんな嵐を見ていると、僕は小学校の頃友達だったNくんを思い出します。
Nくんは小学校4年くらいまで一緒のクラスでした。Nくんは実家がとても貧乏な子で、学校に来る時いつも同じ服で薄汚れた姿で登校していました。
同じクラスで、授業が終わるとNくんを家に呼んでミニ四駆とスーパーファミコンで遊び、次の日は学校で会う。普通に友達でした。僕もNくんも子供だから無邪気に一緒に遊んでいたし、自分たちの家庭環境に関して特に意識して距離を置くなんて発想があるわけもありませんでした。
でもふと唐突なタイミングで、「Nくんの家はひどく貧乏だ」という言葉が周りの友達から飛び交うようになります。なんとなく、みんな雰囲気からそれに納得するような感じになり、気づかない内にそれはみんなの共通認識になっていました。
Nくんと一緒に帰ると、ある特定の道のあたりでNくんは「ここでさよなら。」と言って無理やり姿を消します。それは、Nくんの家が本当に失礼ですがとてつもないボロ屋であり、それを人に見せたくなかったからだと後から知りました。
平日のある日、朝から降っていた雨が急に強くなり、突風混じりの豪雨になりました。教室では中休みにグラウンドに出れないのでその鬱憤と、外の雨の音と激しく揺れる木々の風景に興奮した悪ガキのチームがみんなで騒ぎ立て、どうせ雨は止まないのだからと、「嵐になれ!」「嵐になれ!」と手を叩きながら窓に向かってコール合戦をしていました。自習時間と重なり、タガの外れたガキどもは雷が鳴るたびに「嵐になれ」コールを繰り返しました。
その声の中に、泣き叫ぶように「やめてー!」という声が混じっていました。
Nくんでした。
彼は、その嵐コールで風が強くなり自分の家が吹き飛んでしまうことを本気で心配して泣き叫んでいました。「やめてー!」雷鳴。嵐コール。「やめてー!」雷鳴。嵐コールのループは自習中ずっと続き、その時肥満児だった折笠敬昭は何をしていたかというと、国語の教科書のスイミーを読むフリをしながら、コールに参加もせず、止めもせず只その顛末を眺めていました。
雨が止み、雲の隙間から光が漏れて水たまりを照らす頃、授業は終わり、僕はNくんと一緒に下校しました。校門の前で、町の公民館の職員から配られていた、公民館上映の劇場版「ぬ〜べ〜」の割引券をふたりで手に握りしめ、僕らは水浸しの帰り道を普段どおり帰りました。そしていつものNくんの家が見えない距離の場所で、
「ここでさよなら。」と言って別れました。
その後もそれとなくNくんとも遊んでいましたが、卒業する前に何処かにNくんは転校していってしまいました。それっきり会っていないです。
子供は残酷ですが、大人になった今ならあの頃言えなかったそれぞれの「事情」を小出しに話すことも出来たのかもしれません。
今更Nくんを探すことも、話をすることも、嵐コールの時傍観しててごめんと謝ることも僕には出来ませんが、彼の笑顔と叫び声、そして遊んだ記憶だけが子供の姿のまま僕の中に残っています。大人になったNくんの姿も気になりますが、元気にしててくれたらそれでいいとしか特に思えないです。
本当に唐突にくる豪雨のように、思い出は記憶から降りかかってきますが、
やはりずぶ濡れになって風邪をひいたり、吹き飛ばされたりしないよう備えておくしかないようです。夏のうだるような湿っぽい暑さの中、自ら飛び込んだ忙しさに息をきらしながら、引き続き僕も頑張りたいと思います。楽しいことを好きな人たちと一緒にやりたいですから。
嵐の夜に、楽しかったいい思い出を思い出すのも、アリですからね。
不屈の卑屈 折笠